タイムカードの集計を自動にしたい、と言われたときに自動になる範囲

「タイムカードの集計を自動にしたい」という相談は、だいたい同じ形で来る。紙のタイムカードや出勤簿の写真が手元にあり、それを見ながら電卓とExcelで集計し、できた数字を給与ソフトへもう一度打ち込んでいる。手入力が2回あるので、面倒なだけでなく、どちらで間違えたのか分からなくなる。
ここで出てくるOCRという言葉は、画像の中の文字をコンピューターが読み取ってデータに変える処理のことを指す。スキャンした紙やスマホで撮った写真から、氏名・日付・出退勤の時刻を文字として取り出す。ただ、OCRを入れれば全部が自動になるわけではない。どこが自動になり、どこが人の手に残るのかを分けておく。
自動になるところ
- 画像やPDFから、氏名・日付・出勤・退勤・休憩を文字として取り出す
- 取り出した値を、日ごとの表に並べる
- 月の合計(出勤日数、労働時間、残業時間など)を計算する
- 給与ソフトが決めた項目の順番と形式に並べ替えて、CSVやExcelとして出す
- 未入力、日付の重複、退勤が出勤より早いといった、明らかな矛盾を見つけて印をつける
この4つ目は軽く見られがちだが、実際にはここで詰まることが多い。給与ソフトの取り込み形式はソフトごとに違い、項目名の行を入れるものと入れてはいけないもの、時間を60進法で書くものと分で書くものがある。手で毎月並べ替えていると、月によって順番がずれる。
人の手に残るところ
- 読み取り結果の確認。手書き、かすれ、撮影の角度で精度は変わる。読めたかどうかを人が見る工程は消えない
- 読み取れなかった箇所の修正
- 労働時間や残業の扱いについての判断。会社のルールと法令が絡むので、自動化の対象にしない
- 給与の最終確定
つまり、置き換わるのは「人の手打ち」で、「人の確認」ではない。確認を速くするために、どこが怪しいかを先に示す、という設計になる。
先に決めておくと手戻りが減ること
読み取る前に、出力先の給与ソフトが何を求めるかを見ておくほうが早い。月の合計しか受け取らないソフトなら、日ごとの打刻は別に保管する形になる。締め日と社員番号を勤怠側と給与側で揃えておく必要があるソフトもある。ここを後回しにすると、読み取りはできているのに渡せない、という状態になる。
紙や画像のタイムカードを読み取って確認しやすい形に整えるところは、勤怠OCRのサービスページにまとめています。実際のタイムカードに近いサンプルで、読み取りの精度と確認の手間を先に見る進め方にしています。